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1.開発前史

 

有効な治療法がなく市に至る病だった糖尿病

 

     アルテウス

古代からあった糖尿病
糖尿病の歴史はかなり古く、紀元前1500年頃エジプトのパピルスにはすでに「極度の多尿」という記述があり 、紀元2世紀頃トルコ・カッパドキアの医師アレテウスが著した書物には、糖尿病についての詳細が記されています。 7世紀頃には中国の医師たちが、糖尿病の症状について議論をしていました。日本では平安時代の藤原道長が糖尿病であったと言われています。 古代から20世紀初め頃まで、糖尿病の治療法は絶食による飢餓療法しかなく、患者は合併症に苦しみながら死を待つだけの恐ろしい病でした。

 

すい臓と糖尿病の関係を発見
17世紀から19世紀前半にかけて、イギリスの医師たちが糖尿病疾患に関連した観察結果を発表。 1849年、フランスのベルナールが肝臓からグリコーゲンを発見し、動物における糖尿を誘発します。 1869年、ベルリン大学の学生ランゲルハンスはすい臓に消化液分泌細胞とは異なる細胞「ランゲルハンス島」を発見。 1889年には医学者メーリングとミンコフスキーが犬のすい臓摘出手術を行い、すい臓と糖尿病の関係を発見します。

 

インスリンの発見により治療法は劇的に進歩
1921年、カナダ・トロント大学のバンティングと助手のベストは、すい臓から分泌物の抽出物を生成することに成功。 これが後に「インスリン」と名づけられます。インスリンの発見が契機となり、その後糖尿病の治療は劇的に進歩することになります。 1922年世界初のインスリン治療患者トンプソン(14歳)は、インスリン注射により奇跡的な回復を遂げました。

 

 

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